スポーツ自転車を始めようとする方が増えています。
レースイベントはもちろん日々の通勤や通学など、楽しみ方は人それぞれですが、移動手段だけでなくライフスタイルの一部として【コダワリ】を表現できる魅力的なピースという点で家具や服と同じです。

それは普通の自転車では中々出せない速度。
それは普通の自転車ではとても走れない走行距離。
それは普通の自転車では走れない道や場所へ。
そして普通の自転車にはないカッコよさ。
それらから得られる興奮、感動、達成感、自転車を操る全能感がスポーツ自転車が楽しい理由ではないでしょうか。
それでは、なぜ普通の自転車では経験できないことが体感できるのか。
それは自転車の造りそのものに隠されています。

超軽量な車体は自転車の中で最も高い巡航性能を誇ります。数十kmから百数十kmまでも走れてしまうので、サイクリングに最適です。
また10kmから20km前後であれば、電車の所要時間と大差なく目的地に着けることが多く、ロードバイクを通勤に使用する方が多いのも頷けるのではないでしょうか。
単純に速い速度が出せるということではなく、ロードバイクから得られるシンプルが故の俊敏性と一体感がもたらす爽快感は車やバイクとはまた違うもの。
風を切る感覚やダンシング(立ち漕ぎ)の際のタイヤと地面との摩擦音、駆動系のメカニカルな金属音などを感じながら走る感覚がロードバイクの最大の魅力です。
車体の軽さと前傾姿勢なポジションにより気分を盛り上げ、とても気持ち良く進んでくれます。
車でドライブしたときに気持ち良かったあの思いでの場所へ今度は人力で。また普段通いなれた会社までの道のりも、ロードバイクで行くとまた違う視点で
通勤路が見えてくるとおもいます。
ロードバイクを乗り始めて2-3ヶ月で週末に50km前後のサイクリングを楽しんでいるサイクリストが増えており、初めのころは20km程度で疲れ果てていた方でも、あっという間に100km走れるようになることが大きな達成感へと変わります。
ピリピリとした緊張感のあるレースだけではなく、順位でなくイベントライド(山や長距離)完走を目指すような皆で楽しめるものも毎年各地で開催されています。
友人や親子、会社の同僚と一緒に走る楽しさは感動に。
ロードバイクは舗装されたアップダウンがある走行環境においては最速といってもいいくらいの機材となり、今では、MTB(マウンテンバイク)の魅力である
悪路を走れる走破性を手に入れたロードバイクの派生となる『CYCLOCROSS(シクロクロスバイク)』も選択の一つとしてここ数年で人気が出てきています。
ロードバイクのスタイルにMTBのタイヤ周りを取り入れた、ハイブリットさが新たな魅力として、ロードバイクでは洗練されすぎてしまい、タイヤが細く
路面が荒れている道路がある場合は本来の性能を発揮できない場面があります。そんなときは、シクロクロスが威力を発揮します。
ロードバイクのフレーム形状によりより長く、より遠くへいく為の快適さ(速さ)にMTBのタフさ(安心感)が通勤路から、林道まであなたを連れて行ってくれます。
アスレチックなライドが童心をくすぐり新たな魅力とバイクを思い通りにコントロールしたい欲求がさらに自転車の楽しさを盛り上げる。
無駄を極限まで削ぎ落とした「機能美(functional beauty )」は見るものを魅了します。
昔ながらの伝統的なスタイルが美しい鉄パイプをつなぎ合わせたクロモリフレーム。
最新のカーボンフレームが主流になったロードバイクの造形は美しい流線と鋭利な刀を彷彿とさせるエアロデザインが魅力。
流麗なフレームデザインは、軽さや剛性、快適性などの機能を究極的にまとめています。
乗らない時は室内に保管して眺めたり、意味もなくホイールをまわしたり、お手入れをしたりする方が多いのも趣向品としての一面もあることがうかがえます。
「スポーツバイクやロードバイクを初めたい」と思った時に、誰もが直面する問題が「どうやってロードバイクを選べばいいのか?」という点です。同じ自転車であるママチャリの様に1万円から4.5万円というものと異なり、ロードバイクは10万円位から高いものは100万円を超えるものまであります。
どれもフレーム、ホイール、変速ギア等の駆動パーツという構成要素は同じですが、そのひとつひとつにグレードや、使用用途にあった機能が搭載されています。その為ライダーはロードバイクを使ってどのような使い方、楽しみ方をしたいか?求める効果は何か?予算はいくらか?などを考慮したうえで、ロードバイクを選ぶ必要があります。
「有名ブランドの高いものを買っておけば間違いないだろう」と安易に考えてロードバイクを選ぶと、持て余すこともあります。逆に「最初だから安いものでいい」と考えてロードバイクを選ぶと、本来望んでいた使い方や楽しみ方ができずに、無駄な買い物になってしまうこともあります。
そこでロードバイク専門店のクランギアーズでは、最初におさえておいたほうがよいロードバイク選びの為のポイントをいくつかご紹介いたします。皆様のロードバイク選びの参考にしていただければと思います。
■自転車の根幹となるフレーム
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スポーツバイク、ロードバイクに限らず自転車を構成する為の
根幹となるのがフレームです。また一見フレームの一部と思い
がちですが、○印の箇所はフロントフォークと呼ばれるもので
こちらもフレームと同様に、自転車の根幹のひとつです。
ロードバイクはこのフレームとフロントフォークの素材によって
走りのフィーリングや耐久性、価格に大きく起因してきます。
各メーカーもカタログなどでも素材が表示されている箇所です
ので必ずチェックしてみましょう。 |
<スチール素材>
いわゆる鉄素材であり、一般的自転車であるママチャリのフレームに採用されています。このことより、なんといっても価格の安さと耐久性(強度)の高さが特徴です。その反面重量がある為、スピード志向を求めるロードバイクユーザーには不向きなところもあり、錆に弱い点がデメリットです。ただしスチールとは総称であり、その中にには鉄を主成分とした合金があり、鉄にクロムとモリブデンを配合した「クロモリ素材」や、鉄素材の強度をあげた「ハイテン素
材」などもあります。スチール素材のなかでも多数種類があるので、使い方や求めることによっては詳細の確認をおすすめします。
<アルミ素材>
メーカーによってはアルミニウムや、アルミニウム合金、alloyなどと表記されることもあります。スチール素材に比べ
重量が軽く、比較的錆にも強く、耐久性にも優れているという点ではコストパフォーマンスにも優れています。しかし
一口にアルミといっても、物によってアルミ合金成分が異なっている為、軟らかい配合に仕上げているものから、
高強度の配合に仕上げたものまで幅広くあり、その点が走りのフィーリングや、価格に反映されるケースもあります。
※メーカーカタログ等で6000系や7000系と表記されているものがアルミ合金成分を表すものになります。
近年では各メーカーがそのコストパフォーマンスの高さからアルミフレーム素材を採用し、その分他のパーツへコス
トをかけるモデルをリリースしているのも特徴的です。
<カーボン素材>
現代のロードバイクフレーム素材の主流と言っても過言ではない炭素繊維強化プラスチック、通称カーボン素材です。
最大の特徴はカーボン素材のロードバイクを持つだけでわかるその軽さ。それはコンマ0.1秒を争うロードレースシー
ンでは無くてはならないファクターのひとつです。
その軽さとは裏腹に強度があるため、自転車以外ではゴルフクラブ
のシャフト部分や、航空機の素材にも採用される程です。こちらもアルミ同様に、一口にカーボンといってもグレード
や強度感や価格が異なる為、選び方と使い方には十分注意が必要です。また優れた素材が故に生産コストが高く
一般的にアルミ素材と比べると、高単価なものが多いことも特徴的です。また非常にデリケートな素材な為、軽さと
のバランスで見ると強度はありますが、落車や転倒の際にクラックが入ることもあり、修理の際に高度な専門知識
を持った元でないと修復が困難でもあります。
またメーカーカタログ等では一括りでカーボン素材と表示されることも
ありますが、フレームとフロントフォークの全てがカーボンのものや、フレームはカーボンでフロントフォークは別素材
という場合もあり、その点も走りと価格に反映されてきます。
その他にチタン素材やステンレス素材やマグネシウム素材等といったものもまだまだありますが、エントリーバイク
としてはなかなか選ばれにくい素材である為、ここでの詳細は割愛させていただきました。また各素材で記載した通り、「この素材だから安い」「この素材だから高い」ということも一概には言えません。その素材の中でもHIGH&LOWが存在しており、そのロードバイクにあった素材が使われているということも意識していただければと思います。
■走りのスタイルにあった選択を。コンポーネント
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自転車の知識に自信がない方でも、スポーツバイク、ロードバイクを思い浮かべるときに「ギア」の存在は思い浮かぶのではないでしょうか?ギアとは一般的に後輪の中心部と、ペダルを
回転させる根本部のクランクと呼ばれる場所に位置する部品
のひとつです。しかしロードバイクの構成部品においてはこの
ギアだけが重要ではなく、それに付随する部品との互換性と
連動性によって、走りに影響してきます。それらのロードバイクの駆動部品一式を総称してコンポーネントと呼びます。
現在日本で販売されているコンポーネントのメーカーは大きく
分けて日本の自転車部品メーカーのSHIMANO(シマノ)と、イタ
リアの自転車部品メーカーのCampagnolo(カンパニョーロ)と、
アメリカの自転車部品メーカーのSRAM(スラム)の3つです。
中でも日本で圧倒的なシェアを誇るSHIMANOコンポーネント
についてご紹介します。
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一般サイクリストから世界のプロレースまで確かなクオリティーでサポート。SHIMANOコンポーネント

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<DURA-ACE(デュラエース)>
SHIMANO(シマノ)コンポーネントにおける最上位モデルです。
シマノではコンペティショングレードとして位置づけるモデルで
あり、その名の通り競争するのに最適なコンポーネントです。
街中のサイクリングでDURA-ACEを目にする機会はなくとも、
プロのレースはもちろん、近年市民レース参加者のロードバイ
クにも採用してるライダーが多くみられ、その信頼性の高さが
うかがえます。ハイエンドモデルが故に高額ではありますが、
品質の高さは耐久性とメンテナンス性に定評があります。
電動制御システムDi2対応。
リアのギア数:11速
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<ULTEGRA(アルテグラ)>
DURA-ACEに続く2番目のグレードモデルです。シマノではコン
ぺティションとスポーツとしてロードバイクを楽しむライダーに
適したコンポーネントとして位置づけているモデルです。その為
かプロレースシーンでULTEGRAが採用されているロードバイク
は少なく、アマチュア向けの市民レースではDURA-ACE以上に
採用されているのではないでしょうか。DURA-ACE搭載バイク
との価格差も大きい為、DURA-ACEまでの性能は求めないが
速さを求めるレースシーンには身を投じたいと考えているライ
ダーには最適なグレードかと思います。
電動制御システムDi2対応。
リアのギア数:11速
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<105(イチ・マル・ゴ)>
3番目のグレードとなる105。シマノではスポーツとしてロードバ
イクを楽しむことをコアに作られていると同時に、レースシーン
への導入編の位置づけとされています。ロードバイクに105が
搭載されていると約20万円前後から購入な可能なこともあり、
ロードバイクデビューとして選択するライダーもいれば、今まで
は下位グレードのコンポーネントでファンライドを楽しんでいた
が、速さやレースへの関心を持ち出したライダーが2台目のバ
イクとして105コンポーネント採用モデルを選ぶ場合もあります。
近年DURA-ACE、ULTEGRAに続き、リアのギア数が10速から
11速になったことで、多くのライダーに指示されています。
リアのギア数:11速
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<Tiagra(ティアグラ)>
4番目のグレードとなるTiagra。シマノではスポーツとしてロード
バイクを楽しめるように設定されたグレードです。ツーリングや
ロングライドといったレースシーンではないロードバイクの楽し
み方に適したコンポーネントです。Tiagraが搭載されたロード
バイクの場合約10万円前後からとうこともあり、エントリーモデ
としても選びやすく、ロードバイクを楽しむというレベルであれ
ば充分に満足できるコンポーネントです。
リアのギア数:10速
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<SORA(ソラ)>
5番目のグレードとなるSORA。シマノではスポーツとしてロード
バイクの楽しみ方と、通勤や通学などでも使うタウンユースと
してロードバイクを使うライダー向けに設定されたグレードです。
レースなどの速さや競争をロードバイクに求めるのではない
ライダー向けで、SORAが搭載されたロードバイクの場合、約
10万円以下のモデルも選択可能です。またこのグレードより
リアのギア数が1桁となります。
リアのギア数:9速
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<Claris(クラリス)>
6番目のグレードとなるClaris。シマノではスポーツとしてロード
バイクの楽しみ方と、通勤や通学などでも使うタウンユースと
してロードバイクを使うライダー向けに設定されたグレードです。
しかしスポーツとしての意味合いはフィットネス要素も含まれて
おり、Clarisが搭載されたロードバイクの場合7.8万円前後の
モデルも選択が可能なこともあり、とりあえずロードバイクをは
じめてみようと考えるライダーの最適なエントリーモデルです。
リアのギア数:8速
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■ホイールが変われば走りが変わる。
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ロードバイクではホイールが変わると、ライダーがその違いを
ダイレクトに感じられるくらい重要な部品のひとつとされていま
す。
現在日本で出回っているホイールは様々で、コンポーネントで紹介したSHIMANO(シマノ)や、Campagnolo(カンパニョーロ
)、MAVIC(マビック)、ZIPP(ジップ)、ENVE(エンヴィ)、LightWeight
(ライトウェイト)、FULCRUM(フルクラム)等数多くのホイール
ブランドが存在しています。
ここではホイールそのものの構造をご紹介し、自分が選ぶロードバイクにはどういうホイールがついているのかを確認し、参考にしていただければと思います。
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ホイールは大きく分けてリムとスポークというふたつの分類で
構成されたパーツとなります。
車のホイールでもリムとスポークと表現されますが、リムとスポークが一体で形成されているそれとは異なり、自転車の場合は、リムとスポークは完全に別
の部品であり、それらを機械や人の手で組み上げることでテン
ションを保っているとても繊細な部品です。
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~ リムの種類 ~

<クリンチャー> スタンダードな規格
タイヤをリム内側の溝に引っ掛けて取り付けます。タイヤとチューブが別々になっており、パンクした際、チューブの交換のみを行える為、経済的でメンテナンス性に優れています。
タイヤやチューブの種類も豊富に用意されているので自分にあったタイヤがみつけやすいのも特徴です。
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<チューブラー> 高い走行性能をもつ規格
タイヤの取り付け方法が接着か、専用の両面テープをつかい取り付けをします。チューブラーはタイヤとチューブが一体化しているため軽量かつ乗り心地がいいのが特徴です。 プロレース等で使われているホイール規格でもチューブラーが多くつかわれています。
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<チューブレス>
パンクのリスクを軽減
タイヤの中にはチューブが入っていない為、突然のパンクが起きても空気漏れが急激に起こることはありません。 その為、パンクした状態でも数キロ走行することも可能です。チューブレスタイヤの種類は少なく、クリンチャータイヤも兼用で使えるのも特徴です。
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~ リムの種類 ~
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<アルミリム>
"使いやすさから多くのライダーが愛用
安価なものからハイエンドまで価格の幅が広く、自分にあったホイールを選びやすい点がポイント。金属製リムの特徴で、制動力に優れており天候条件等に影響を受けにくく、ロングライドからレースまで様々なシーンで使いやすいところが特徴です。クリンチャー、チューブラー、チューブレスと全てのタイプがあります。"
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<カーボンリム>
ホイール性能を極限まで高める素材
カーボン素材を使ったことで、軽量かつ高性能を実現したホイールです。素材の特性上、リムを高くした場合でも軽量に仕上げることができるので、走行性能を大きく高めてくれています。またそのビジュアル面でも人気が高いのも特徴といえます。 使用面では専用のブレーキシューを必要とする為扱いに注意が必要です。 カーボンリムはチューブラーが基本となりますが、最近ではメンテナンス性に優れたクリンチャータイプもあります。
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以上のフレーム・コンポーネント・ホイールという大きな3つの分類でロードバイクが構成されています。
この3つのグ
レードや、種類、素材などの組み合わせによって、走り方や価格が大きく変わってきます。カーボンフレームだから
いいロードバイクという概念であったり、コンポーネントが下位グレードだからイマイチなロードバイクということでは
ありません。
各グレードや、各素材にあったロードバイクの楽しみ方があったり、それに伴った満足感があります。
各メーカーより多種多彩なロードバイクが販売されていますので、まずはこれらの観点でロードバイク選びを楽しん
でみてください。
